Truyện 34
サッカ-ボールのもようは、どうやって決めるの? サッカーボールのもようというと、ニ通りの意味があります。ーつは、色を使って、ボールの表面にえがかれたもようです。このもようは、スポーン用品をつくる会社が、それぞれデザインを考えて決めています。もう一つの意味のもようは、革の張りあわせがつくりだすもようです。ここでは、こちらの意味のもようについて、くわしくしょうかいしましょう。サッカーボールを手にしたら、絵がらではなく、表面の革の勒の張りあわせを見てください。正六角形の革が二十まいと、それより小さい正五角形の革十二まいが張りあわされていませんか。この、亀の甲らもようのような「亀甲形ボ—ル」は、日本のモルテンという会社によって、一九六〇年代に開発されたものです。当時、サッ力ーボ—ルは、今のバレーボールと同じで、十八まいの長方形の革を張りあわせていました。モルテンでは、なにかこれに代わる新しいボールを開発しようと考えました。そのとき、正五角形と正六角形の組みあわせで球がつくれることを知り、試行錯誤の末に完成させたのが、今でも多くの人が使っている亀甲形ボ—ルなのです。一九六五年に亀甲形サッ力ーボールを発売するときに、モルテンは色も新しくしようと考えました。それまでのサッ力ーボールは茶色が主流でしたが、当時の日本は土のグラウンドか多く、茶色ではボールが見えにくくなってしまいます。また、テレビ放送では、はっきりしたもようが目立ちます。そこで、六角形が白、五角形が黒の白黒もようにしました。白黒亀甲形ボールは、たちまち世界じゅうで大人気になり、一九七〇年のワールドカップ•メキシコ大会で、初代公式試合球に採用されました。それからずっと、モルテンはワールドカップ公式試合球の開発を担当しています。ワールドカップの公式試合球の歴史を見てみると、絵がらは変わっても、亀甲形の張りあわせは、ずっと変わりませんでした。革の張りあわせ方を变えた画期的なボ—ル、「チームガイス卜」が登場したのはニ〇〇六年のドイツ大会でした。そのボールは、より真ん丸に近い球にするために、形のちがう大小二種類のプロペラ状の革(それぞれ八まいと六まい)を組みあわせたものでした。ボールが真ん丸に近いので、選手の持つ技術がそのままボールに伝わり、より正確なキックができるようになりました。日本代表チームがベスト十六に進んだ、ニ〇一〇年のワールド力ップ•南アフリカ大会で採用された「ジャブラニ」は、さらに究全な球に近づけるため、八まいの革でつくられました。完全な球を無回転でジュートすると、ゴールキーパーが予測しにくい「ぶれ球」という魔球になり、サッカーに新たな魅カが加わりました。亀甲形の三十ニまいから「チームガイス卜」の十四まい、そして「ジャブラニ」の八まいへと、ワールドカップ用のサッ力—ボールは、張りあわせる革の数を減らす形へ進化しているようです。 |
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